夏休みの過ごし方を工夫してみよう

はじめに
学校に行きづらい児童生徒にとって、学校が長期の休みになると「学校に行かなければ」という責任感や義務感から解放されます。言い換えれば、自信を取り戻せる絶好の機会となります。この機会を有効に使うことで2学期に備えることにも繋がります。
夏休みの過ごし方ポイント4
1 心を育てるために元気と自信を取り戻させる
「ありがとう」感謝する言葉をたくさん伝えよう
*○○してくれて、助かった。ありがとう
2 学ぶことの楽しさを
マクロの目、ミクロの目を
*新しい発見、小さな感動を見つける
3 学びの基礎を育てる
「したいこと」「好きなこと」をさらに追求する*よりよくなるために
– ①テーマを決める
– ②そのための情報を集める
– ③計画を立てて、実行する
– ④振り返り、新たな課題を
4 計画を自ら立てよう
健康的な生活はあなたのため、みんなのために
「自分の好きなこと」「自分がより良くなること」「お願いされたこと」を考えて
具体例として
1 心を育てるために元気と自信を取り戻させる
夏休みはより良い自分を取り戻す機会です。保護者にとっても登校を気にしなくてよい夏休みはストレスが軽減されます。
昼食などの新たな問題は出てきますが、普段より心が軽くなることが多いようです。
そのため「学校に行かなくていいのだから、家のこともしなければ」と、ついさせてしまうことが多くなります。洗濯物の取り込み、食器洗い、学校の宿題などです。
逆に、好きなこと『ゲームやスマホ』は、「しなければならないこと」ができたら、等の条件がつきます。
これでは心の元気や自信が回復しません。
指示を依頼とお願いに変更してみましょう。
「洗濯物を取り入れてくれると助かるなあ」
「○○をお願いできたら嬉しいけど」
これでしてもらえたら「ありがとう」が伝えられます。
2・3 学ぶ楽しさと学びの基礎を
ちょっとした発見や気づきはうれしく感じるものです。身近なところにも潜んでいることもあります。
「こんなところに花が咲いている」
「じっくり見るとこの窓からさそり座がみえる」
など、新しい発見があれば、写真に撮っておいて、みんなと共有すれば興味がひろがるかもしれません。
また、改めて旅行に行けなくても「お家でキャンプ」として、いつもの食事場所や寝場所を変えるのも新しい発見に繋がります。
お金と時間をかけなくてもできることがたくさんあります。各家庭でアイデアを出してみてはどうでしょう。
学びの基礎は「したいこと、好きなこと」から始めましょう。
日本には『好きこそ物の上手なれ』の言葉があります。正に、大谷選手も藤井王将も好きなことを追及することで今も成長・進化しています。みんなのその『好き』を応援しましょう。
というと「ゲームもですか」と質問を受けますが、もちろん大丈夫です。
大人はゲームを遊び=無駄と考えがちですが、そんなことはありません。
今よりうまくなるためには、
- 現状を把握し課題をみつける
- 改善するための情報を集める
- 計画を立て、実践する
この流れが学びの基礎です。この「好きなことプラン書」を作成して取り組み、応援しましょう。
うまくいけば一緒に喜び、うまくいかなければ一緒に残念に思い、次への励ましを。
4 計画を自ら立てよう
夏休みの計画、その通りにできるといいですが、学校に行けていない子ども達にとって、「させられること」は大きなストレスを感じます。そこで、自分がしたいことから計画を立て始めることをお勧めします。
①したいこと
②したほうがよいこと
③依頼されたり、しないといけないこと
の順番に計画を考えてみてください。一緒に家族と考えるにあたっても、子どもの自主的な立案をお願いします。
最後に8月31日の迎え方
最も保護者も本人も不安を抱える日は8月末です。
明日から登校するのだろうかと、学校に行きなさいとも言えないし、子どもの様子が気になります。
「学校に行かなくても子どもの笑顔が増えたり、会話が増えたりすれば成長」です。
「この子は意外とやる子だな」「自分で決めて頑張れる子だ」⇒子どもを信じられる
8月の末日も普段と同じでいましょう 9月から行けなくても別の対応があります。慌てないこと
行けなかったとすれば、まだ心が整っていないため。心が元気になるには時間がかかります。
そこに至ってないから、ゆっくり見守りましょう。学校に行くことより、
笑顔が増えた
家庭の会話が増えた
食事がおいしく食べられた
などが成長の証です。
コメント